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WIDE SCOPE
肺の高分解能CTの始まり
著者: 村田喜代史1
所属機関: 1滋賀医科大学放射線科
ページ範囲:P.163 - P.163
文献購入ページに移動CTが臨床に登場し,頭部ばかりでなく体部にも応用が始まった1980年頃,まだ1スキャンに10秒近くかかっていて,胸部のCTにおいては縦隔病変の評価が中心であった.肺野のCTは単純X線写真で肺血管がよく見えるという事情もあって,それほど有用と思われていなかった時代だったと思う.当時,京都で胸部のCTを担当していた私の先輩が,何とか肺野の画質が良くならないかと考えていたときに,CTメーカーが頭部CTの特別ソフトとして,側頭骨の中の内耳構造をよく観察できる“bone algorithm”を大学にもってきたそうである.売り文句は“空気と骨というコントラストの高い構造を明瞭に描出する”.
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