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文献詳細

雑誌文献

medicina38巻11号

2001年10月発行

文献概要

WIDE SCOPE

白が異常か黒が異常か

著者: 工藤祥1

所属機関: 1佐賀医科大学放射線科

ページ範囲:P.344 - P.344

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 白黒をつけるといえば,普通は正邪の決着をつけることであるが,画像診断における白と黒では話がやや違ってくる.X線写真,CT,MRI,超音波,核医学などの画像はごく少数のカラー表示例を除き,いずれもが白,黒,あるいは中間のグレーの入り交じった模様である.ここで初学者が迷うのは,白いところが病変なのか,黒いところが病変なのかというところである.
 私が学生のころ,臨床講義で胃癌の造影X線写真が呈示された.画像の中心部に隆起性病変と潰瘍の両方があり,そこに向かって粘膜ひだの集中像があるということであったが,私にはいったいどれが隆起でどれが潰瘍なのか,どれが粘膜ひだでどれが粘膜の間隙なのかさっぱりわからなかった.教科書で調べると,白いのはバリウムによりX線が遮られたところであり,黒いのはバリウムがはじかれたところらしいということがわかったが,別の教科書をみると白黒反転した画像が使われており,いっそう混乱してきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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