文献詳細
文献概要
増刊号 CT・MRIアトラス—正常解剖と読影のポイント 骨・軟部 各論
乳腺
著者: 木下隆広1 八代直文1 吉儀淳1 井原信麿1
所属機関: 1亀田総合病院放射線科
ページ範囲:P.396 - P.403
文献購入ページに移動乳房の正常解剖(図1)
乳房は前胸壁の第2〜6肋骨に位置し,後方に大胸筋がみられ,一部下方に前鋸筋が存在する.乳房は15〜20個の腺葉(lobe),結合織および脂肪織からなる.腺葉は多数の小葉(lobule),さらに腺房(acini)に分かれる.腺房の周囲に小葉内間質(intra—lobular Stroma),小葉間に小葉間間質(inter—lobular stroma)がある.小葉と終末乳管(termi—nal duct)は,分泌機能単位として終末乳管小葉単位(terminal ductal lobular unit:TDLU)と呼ばれる.多くの乳癌や良性疾患がこの単位から生じる.終末乳管は小葉内終末乳管(intralobular ter—minal duct:ITD)と小葉外終末乳管(extralobular terminal duct:ETD)に分類され,1本の乳管(lactiferous duct)に集束し乳管洞を形成した後,乳頭に開口する.乳腺は浅在筋膜浅層と深層の間に存在し,線維性の結合織(Coo—per靱帯)により支持されている.
掲載誌情報