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今月の主題 内科医のためのレディース・クリニックII 成熟期・熟年期のレディース・クリニック
自己免疫性肝疾患
著者: 橋本直明1 光井洋2 田中篤3
所属機関: 1東京逓信病院消化器科 2東京大学医学部附属病院消化器内科 3朝日生命成人病研究所
ページ範囲:P.2024 - P.2029
文献購入ページに移動自己免疫性肝炎(AIH)は,肝炎ウイルス,アルコール,薬物などの原因がない肝炎で疑う.中年女性に多い.約9割はHLA DR4を有する.lgGまたはγ-グロブリンが高値,抗核抗体(ANA)が陽性.抗平滑筋抗体(SAM)陽性例もある.抗スルファチド抗体陽性も特徴.ステロイドが奏効する.初期量は経口プレドニゾロン30〜60mg/日が一般的である.
原発性胆汁性肝硬変(PBC)は,中高年女性に好発する慢性肝内胆汁うっ滞症.近年は無症候性(a-PBC)が多い.黄疸,掻痒感を呈する症候性PBC(s-PBC)を経て,20〜30年かかって肝硬変に至る.2大死因は肝不全と消化管出血.組織学的特徴は小葉間胆管の慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC).血液検査では抗ミトコンドリア抗体(AMA)陽性.
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