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子どもの虐待
著者: 桃井真里子1
所属機関: 1自治医科大学小児科学教室
ページ範囲:P.2117 - P.2123
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子どもの虐待死が日常的にニュースとなり始め,日本社会は,急激に子どもを虐待し,死に至らしめつつある.昔は親が自死の道連れに子どもを殺す,いわゆる「心中」であったのが,いまや親は自らの生きにくさゆえに,子どもだけを殺す道を取りつつあるかのようである.心中は,子どもだけが生き残されてはかわいそうという親の勝手な思い込みによる犯罪であったのが,いまや「自分がかわいそう」という親の自己憐びんから,子どもを虐待し殺している.日本社会がどこでどう間違えてきたのかは,ここでは論じないが,子どもを診療する機会がある医師は,この子どもたちへの犯罪を,決して見逃してはならない,という強い決意と知識が必要になった.本稿では,その知識とノウハウの一端を紹介し,一人でも多くの子どもたちが,医師によって虐待から抜け出られることを,強く願うものである.
子どもの虐待死が日常的にニュースとなり始め,日本社会は,急激に子どもを虐待し,死に至らしめつつある.昔は親が自死の道連れに子どもを殺す,いわゆる「心中」であったのが,いまや親は自らの生きにくさゆえに,子どもだけを殺す道を取りつつあるかのようである.心中は,子どもだけが生き残されてはかわいそうという親の勝手な思い込みによる犯罪であったのが,いまや「自分がかわいそう」という親の自己憐びんから,子どもを虐待し殺している.日本社会がどこでどう間違えてきたのかは,ここでは論じないが,子どもを診療する機会がある医師は,この子どもたちへの犯罪を,決して見逃してはならない,という強い決意と知識が必要になった.本稿では,その知識とノウハウの一端を紹介し,一人でも多くの子どもたちが,医師によって虐待から抜け出られることを,強く願うものである.
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