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今月の主題 Hematological malignancy—診断と治療の現状と展望 治療の現状と展望 化学療法
慢性骨髄性白血病の治療戦略
著者: 田内哲三1 大屋敷一馬1
所属機関: 1東京医科大学内科学第1講座
ページ範囲:P.220 - P.222
文献購入ページに移動慢性骨髄性白血病(CML)の慢性期初期の患者では,IFN療法により70〜80%に血液学的寛解,40%程度に細胞遺伝学的効果(Phクローンの減少),10〜20%では細胞遺伝学的完全寛解(Phクローンの消失)が得られる.病初期でIFN投与量が多いほど細胞遺伝学的効果が得られているため,診断後速やかに十分量を継続して投与することが重要である.実際の投与法は天然型IFNα300〜600万単位,または組み換え型IFNα600〜1,200万単位を連日皮下注する.天然型と組み換え型では単位あたりの力価が異なる.注射薬であるが自己皮下注が認められているため,十分な指導の下に外来治療が原則である.有効例では2〜4ヵ月で白血球数が正常化する.白血球数を5,000/ml以下に低めに維持するように投与量,投与間隔を調節するが,副作用がなければ最大投与量を連日継続することが望ましい.細胞遺伝学的効果は6〜12ヵ月頃より認められる.白血球数がコントロールされている症例では半年に1回ほど骨髄穿刺と染色体分析を行う.
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