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今求められる説明義務・1【新連載】
説明義務とインフォームド・コンセント
著者: 古川俊治12
所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科 2TMI総合法律事務所
ページ範囲:P.720 - P.723
文献購入ページに移動説明義務の2類型
近年,「医師の説明義務」と題して,医師の患者に対する様々な内容の説明が求められるようになった.医師の説明義務は,説明の性質と義務違反の場合における法的効果の違いにより,以下の2種類に大別できる.
第一は,患者の身体への侵襲行為について患者の承諾を得るための説明である.他人の身体へ侵襲を加えることは民事法上も刑事法上も原則として違法と評価されるが,診療行為が違法とならないのは,患者自身の同意があるからであり,その同意の前提として,医師には診療行為の内容について説明すべき義務があるとされるのである.この場合の医師の説明は診療行為そのものではない.今日では医師の基本的義務として認識されるようになったインフォームド・コンセント(IC)のための説明義務は,この類型の説明義務である.
近年,「医師の説明義務」と題して,医師の患者に対する様々な内容の説明が求められるようになった.医師の説明義務は,説明の性質と義務違反の場合における法的効果の違いにより,以下の2種類に大別できる.
第一は,患者の身体への侵襲行為について患者の承諾を得るための説明である.他人の身体へ侵襲を加えることは民事法上も刑事法上も原則として違法と評価されるが,診療行為が違法とならないのは,患者自身の同意があるからであり,その同意の前提として,医師には診療行為の内容について説明すべき義務があるとされるのである.この場合の医師の説明は診療行為そのものではない.今日では医師の基本的義務として認識されるようになったインフォームド・コンセント(IC)のための説明義務は,この類型の説明義務である.
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