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文献詳細

雑誌文献

medicina38巻5号

2001年05月発行

文献概要

図解・病態のメカニズム—呼吸器疾患・7

最近の結核・非結核性抗酸菌症

著者: 四元秀毅1

所属機関: 1国立療養所東京病院内科

ページ範囲:P.882 - P.887

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はじめに—結核の起こり方
 結核症(tuberculosis)は結核菌(Mycobacteriumtuberculosis)による感染症で,肺結核患者が咳をしたときに出るしぶき(飛沫)中の結核菌が,周囲の水分の蒸発により空中を浮遊し,これが吸い込まれ肺内に病巣を作って起こる(飛沫核感染;空気感染).肺胞に定着した結核菌に対して,まず好中球を主体とする非特異的炎症,続いて肺胞マクロファージやリンパ球などによる浸出性病変が起こり,次いで類上皮細胞や多核巨細胞などを主体とし周囲を膠原線維が取り囲む肉芽腫病変(繁殖性/増殖性反応)が形成される1).順調に経過すると炎症性肉芽は膠原線維に置き換えられ,病巣は密で硬い組織に変化する(硬化反応).一方,繁殖性病巣などの中心部にアレルギー的機序による乾酪壊死が起こると,内容物が気道を介して排除され,欠損部位としての空洞ができる.空洞は菌の散布源になる.
 感染したものの一部が結核を発病するが,発病形式としては,感染に連続して起こるもの(一次結核:primary tuberculosis)と,感染後年ないし数十年の後に起こるもの(二次結核:postprimarytuberculosis)とがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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