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文献概要
今求められる説明義務・2
説明義務と医師の裁量
著者: 古川俊治12
所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科 2TMI総合法律事務所
ページ範囲:P.896 - P.899
文献購入ページに移動 インフォームド・コンセントの一般的対象事項
医師は一般に,患者に対し,①病名と病気の現状,②これに対して採ろうとする治療の方法,③その治療の危険性(危険の有無と程度),④それ以外に選択肢として可能な治療方法とその利害得失,⑤患者の疾病についての将来の予測(予後),の各事項を説明しなければならない1).
以上の一般的対象事項のおのおのについて,どの範囲の情報を提供しなければならないかが問題であるが,この点について,法律上4つの基準が挙げられている(表1)2).このうち,従来は合理的医師説が採られ,患者が同意の意思決定をするのに必要と思われる内容を説明すれば,医師は一応の説明義務を果たしたことになると考えられてきたのであるが,今日では,二重基準が有力となっており,患者の個別性に応じてより多くの内容を説明することや,通り一遍の説明ではなく個々の患者の立場に即して説明の工夫をすることが求められるようになっている.
医師は一般に,患者に対し,①病名と病気の現状,②これに対して採ろうとする治療の方法,③その治療の危険性(危険の有無と程度),④それ以外に選択肢として可能な治療方法とその利害得失,⑤患者の疾病についての将来の予測(予後),の各事項を説明しなければならない1).
以上の一般的対象事項のおのおのについて,どの範囲の情報を提供しなければならないかが問題であるが,この点について,法律上4つの基準が挙げられている(表1)2).このうち,従来は合理的医師説が採られ,患者が同意の意思決定をするのに必要と思われる内容を説明すれば,医師は一応の説明義務を果たしたことになると考えられてきたのであるが,今日では,二重基準が有力となっており,患者の個別性に応じてより多くの内容を説明することや,通り一遍の説明ではなく個々の患者の立場に即して説明の工夫をすることが求められるようになっている.
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