icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina38巻6号

2001年06月発行

文献概要

カラーグラフ 消化管内視鏡検査—知っておきたい基礎知識・6

胃—正常内視鏡像

著者: 榊信廣1

所属機関: 1東京都立駒込病院内科

ページ範囲:P.1085 - P.1088

文献購入ページに移動
胃の解剖学的特徴
 胃は,食物を分泌した酸や消化酵素と蠕動運動の働きで粥状にして,消化・吸収を行う十二指腸以下に送り出すという働きをしている中空の臓器である.胃壁は内腔面から粘膜,粘膜下層,固有筋層,漿膜下層,漿膜の5層構造をもっている.しかし,超音波内視鏡を除く内視鏡では,内腔面に面した粘膜面を観察している.さらに,詳しく言えば,粘膜表面を覆っている円柱上皮である被蓋上皮部分を観察していることになる.そこで,内視鏡診断において,最も必要な知識は粘膜面の胃粘膜の形態学的特徴ということになる.
 胃内腔を覆う胃粘膜は,正常では固有腺細胞の違いから,噴門より約2cmの幅の噴門腺領域,口側2/3の最も広い胃体部を占める胃底腺領域,肛門側1/3の前庭部を占め幽門に至る幽門腺領域に分けられる.胃底腺は胃酸やペプシノーゲンなどを分泌する腺細胞で形成された単一管状腺である.一方,幽門腺は単一胞状腺で彎曲分岐している.そのために,拡大内視鏡観察をすれば,両者は基本的に異なった形態を示す1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら