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文献詳細

雑誌文献

medicina38巻7号

2001年07月発行

文献概要

今月の主題 内科医が知っておきたい外科的治療のUpdate 循環器外科

狭心症に対するTMLR(レーザー心筋内血管新生術)

著者: 忽滑谷通夫1

所属機関: 1板橋中央総合病院心臓血管外科

ページ範囲:P.1140 - P.1141

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治療概要
 現在,虚血性心疾患の治療にはPTCA,ステント治療,ロータブレーターといったカテーテル治療と冠状動脈バイパス術があるが,いずれも冠状動脈を経由した血行再建術であるため,冠状動脈狭窄病変が広範囲に及んでいたり,冠状動脈が細いなどの理由でこれらの治療が不可能とされる症例も存在する.
 一方,TMLA(trans myocardial laser revascularization)は,冠状動脈に直接手を加えて血行再建を行う上記の治療とは異なり,虚血にさらされている左室心筋にレーザー光線にて直径1mm程度の小孔を開けることにより心筋内に毛細血管を新生させ,冠状動脈を介さず直接心筋に対する血行を再建しようとする治療である.したがって,冠状動脈病変がどのようなものであっても行いうるという特徴がある(図1).この治療はヒトの心臓が冠状動脈により灌流されているのに対し,ハ虫類の心臓では,心筋血流の一部は直接心室内腔より灌流されていることに着目し,1165年Senらがイヌの心筋に針を用いて小孔を開けることにより心筋灌流を改善しようとした研究に始まる.その後,この治療にレーザーが用いられるようになり,1988年に現在の炭酸ガスレーザーを用いたTMLR装置(ハートレーザー®)が完成した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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