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文献概要
今月の主題 Cognitive Disorder—内科医が知っておくべき認知機能障害 cognitive disorderとは
薬物と認知機能障害
著者: 北川泰久1
所属機関: 1東海大学医学部付属大磯病院神経内科
ページ範囲:P.1301 - P.1303
文献購入ページに移動薬剤が誘発する認知機能障害の特徴
薬剤が誘発する認知機能障害は,せん妄などの意識障害を基盤として起こることが多い.せん妄は認知機能の低下,睡眠障害や錯乱を伴った急性の精神障害で,中脳・視床・皮質系の機能低下すなわち意識の混濁だけではなく,辺縁系での脳内の興奮が関与しているとされている.せん妄を基盤とする薬剤による認知機能障害は単独で起こることは稀で,幻覚,異常行動など,他の症状を伴って起こることが多い.薬剤誘発性の認知機能障害は服用後,短期間のうちに出現することが多く,1日のうちでも変動しやすく,高齢者で発症するなど患者側の要因によっても影響を受ける.本稿では認知機能障害を誘発する薬剤とその特徴を述べてみる(表1).
薬剤が誘発する認知機能障害は,せん妄などの意識障害を基盤として起こることが多い.せん妄は認知機能の低下,睡眠障害や錯乱を伴った急性の精神障害で,中脳・視床・皮質系の機能低下すなわち意識の混濁だけではなく,辺縁系での脳内の興奮が関与しているとされている.せん妄を基盤とする薬剤による認知機能障害は単独で起こることは稀で,幻覚,異常行動など,他の症状を伴って起こることが多い.薬剤誘発性の認知機能障害は服用後,短期間のうちに出現することが多く,1日のうちでも変動しやすく,高齢者で発症するなど患者側の要因によっても影響を受ける.本稿では認知機能障害を誘発する薬剤とその特徴を述べてみる(表1).
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