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文献詳細

雑誌文献

medicina38巻8号

2001年08月発行

図解・病態のメカニズム—呼吸器疾患・10

耐性菌の発生メカニズム

著者: 平泻洋一1

所属機関: 1長崎大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.1420 - P.1424

文献概要

はじめに
 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus:MRSA)が社会的な問題となって以来,薬剤耐性菌に対する関心が深まっている.しかし,1940年代にペニシリンの臨床使用が開始された直後には,ペニシリナーゼと呼ばれるペニシリンを分解する酵素を産生し,ペニシリンに耐性を示す黄色ブドウ球菌が発見されている.さらにこのようなペニシリナーゼ産生黄色ブドウ球菌に対して,ペニシリナーゼに安定なメチシリンが合成されたが,その直後にはMRSAの出現が報告されている.細菌は人類の想像をはるかに超えた適応力を有しており,抗菌薬の開発使用の歴史は,同時に新しい薬剤耐性菌の出現の歴史となっている.
 本稿では,現在臨床上問題となっている,あるいは今後問題となる可能性の高い薬剤耐性菌のなかで,呼吸器感染症の原因菌として重要なものにポイントを絞って,その発生および伝播のメカニズムについて概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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