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増刊号 内科医が使う薬の副作用・相互作用 循環器薬
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬(カプトリルR,レニベース,ロンゲス,タナトリル,エースコール)
著者: 中田智明1 島本和明1
所属機関: 1札幌医科大学医学部第2内科
ページ範囲:P.24 - P.26
文献購入ページに移動ACE阻害薬は,その降圧薬としての高い有効性に加え,幅広い臓器保護作用(心,腎,脳,血管),心血管事故の抑制・生命予後改善効果が実証されている.これには,レニン—アンジオテンシン—アルドステロン(RAA)系の抑制や降圧系のカリクレイン—キニン—プロスタグランジン系の増強作用,細胞増殖抑制,心肥大の退縮,交感神経抑制,血管内皮機能改善など,多彩な薬理作用が大きく寄与している.現在では高血圧治療の第一選択薬として確立している1〜3).わが国の保険適用は高血圧症以外では,慢性心不全はエナラプリルとリシノプリル,1型糖尿病性腎症はイミダプリルである(表1).しかし薬理学的には,いずれのACE阻害薬にも臓器保護効果は期待でき,降圧効果にも大きな差異はない.
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