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文献詳細

雑誌文献

medicina39巻11号

2002年10月発行

文献概要

増刊号 内科医が使う薬の副作用・相互作用 循環器薬

血栓溶解薬(ウロキナーゼ,ハパーゼ,アクチバシン,クリアクター,ソリナーゼ)

著者: 渡辺郁能1 上松瀬勝男2

所属機関: 1駿河台日本大学病院循環器科 2日本大学内科学講座内科2部門

ページ範囲:P.54 - P.56

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 プラスミノーゲンをプラスミンに活性化する物質がプラスミノーゲンアクチベータであり,これが血栓溶解薬の基本的な薬理作用である.フィブリンに結合したプラスミノーゲンアクチベータによってフィブリンのプラスミンは活性化され,血栓は溶解する(図1).現在臨床で用いられている血栓溶解薬を表1に示した.ウロキナーゼ(UK)やストレプトキナーゼ(SK)は循環血液中で作用するプラスミノーゲンアクチベータであり,α2プラスミンインヒビターで失活される以上の量が必要であることから全身の線溶能を高めることになり出血傾向に注意を払わなければならない.そのため,血栓親和性を有し血栓上で作用するt—PAやpro-UKが開発された.t-PAには遺伝子組換え型(recombinant)t-PAと細胞培養による天然型t-PAの2種類がある.t-PAやpro-UKにより全身の線溶能を高めることなく血栓を溶解し,UKに比べ高い溶解率が得られるようになった.しかし,血中半減期が短く持続点滴が必要なため,より半減期が長いt-PAが開発された.mutant t-PAは,遺伝子組換え技術によりアミノ酸配列を置換することで半減期を長くしたt—PAであり,単回投与が可能となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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