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文献詳細

雑誌文献

medicina39巻11号

2002年10月発行

文献概要

増刊号 内科医が使う薬の副作用・相互作用 循環器薬

ループ利尿薬(ラシックス,ダイアート)

著者: 松島秀樹1 菱田明2

所属機関: 1聖隷三方原病院腎臓内科 2浜松医科大学第1内科

ページ範囲:P.60 - P.62

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適応
 ループ利尿薬は,ヘンレ係蹄の太い上行脚部におけるNa-K-2 Clの共輸送系を尿細管腔側から阻害し,Na,Clの再吸収を抑制することにより,強力な利尿作用を発揮する.フロセミド(ラシックス®),アゾセミド(ダイアート®),トラセミド(ルプラック®)などが代表的な薬剤である.
 心性浮腫,腎性浮腫,肝性浮腫などが適応となるが,浮腫,胸水,腹水がある場合には,初めにその原因の鑑別診断を行うことが大切である.特に心不全,肝硬変,腎不全,ネフローゼなどの疾患の有無を明らかにし,それらの治療を十分に行う必要がある.原疾患の治療,および食塩制限や安静などによっても浮腫の改善が認められない場合,本剤の投与が考慮される.緊急にループ利尿薬の投与が必要となるのは,心不全や腎不全により肺水腫をきたしている場合や,高度の腹水が貯留して呼吸不全を呈している場合である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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