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増刊号 内科医が使う薬の副作用・相互作用 消化器薬
腸管運動抑制・分泌抑制薬(ロペミン)
著者: 奥平圭輔1 三浦総一郎1
所属機関: 1防衛医科大学校第2内科
ページ範囲:P.106 - P.108
文献購入ページに移動 止瀉薬の領域では従来,収斂剤,吸着剤,副交感神経遮断薬,腸内細菌殺菌剤,整腸剤などのいわゆる古典的薬剤が使用されてきたが,効果や副作用の点で限界があった.また,opium, morphine, codeineなどの作用の強い止瀉薬は特に長期間使用した場合,中枢作用に由来する依存性を生じる可能性があり,その使用には限界があった.そこで腸管に対する作用と中枢に対する作用が分離された止瀉薬が求められ合成されたのが,塩酸ロペラミド(ロペミン®)である.塩酸ロペラミドは腸管神経叢に作用し,腸管内コリン作動性ニューロン機能を抑制し,また,腸管の輪状筋方向の進展により誘発されるアセチルコリンとプロスタグランジンの放出を抑制し,腸管内容物輸送抑制,蠕動抑制をもたらす.塩酸ロペラミドは,morphineやcodeine, diphenoxylateよりも強力かつ持続的な止瀉作用を示す一方1),非毒性用量では中枢作用を示さないのが大きな特徴である.
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