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文献詳細

雑誌文献

medicina39巻11号

2002年10月発行

文献概要

column

調剤過誤について

著者: 津田真智子1

所属機関: 1東京海上メディカルサービス薬剤部

ページ範囲:P.136 - P.136

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処方箋は正確に
数年前,某病院から発行された院外処方箋をもとに,調剤薬局で調剤された薬剤を服用した患者が,容態急変して入院するという医療事故が発生しました.ちょうどこの病院では,院内調剤から院外処方箋に切り替えたばかりで,「アレビアチン10倍散2g」として処方するところを,担当医師は規格の「10倍散」を省略して「アレビアチン2g」という処方箋を発行しました.薬局は念のため疑義照会を行いましたが,病院からの回答は「医師の処方通りに」であり,薬剤師はおかしいなと思いながらもそのまま調剤して患者に渡してしまいました.結果として患者は服用数時間後に痙攣発作を起こし,意識のないまま救急車で病院に運ばれました.
この病院で採用していたアレビアチンは10倍散だけでしたので,処方箋に「アレビアチン2g」とあれば,院内薬局では「アレビアチン10倍散2g」を調剤する慣行になっていました.そのため,処方医師は,院内処方箋を書くのと同じ感覚で院外処方箋を発行したものと思われます.しかし,院外処方箋はどこの薬局に持ち込まれるのかわかりませんので,全国どこでも通じる書き方で記載する必要があります.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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