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文献詳細

雑誌文献

medicina39巻11号

2002年10月発行

文献概要

増刊号 内科医が使う薬の副作用・相互作用 呼吸器薬

中枢性非麻薬性鎮咳薬(アスベリン,アストミン,メジコン,レスプレン)

著者: 北俊之1 藤村政樹1

所属機関: 1金沢大学医学部内科学第3

ページ範囲:P.140 - P.142

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 咳嗽は,多くの呼吸器疾患や一部の非呼吸器疾患の症状であり,QOLを損なう.近年,8週間以上持続する慢性咳嗽の原因としてアトピー咳嗽や咳喘息といった疾患概念が確立され,それぞれの特異的治療法によって治療できるようになった1)が,原因を特定できない場合が多い2〜8週間持続する遷延性咳嗽や1〜2週間で自然軽快する急性咳嗽では,対症療法として中枢性鎮咳薬を処方することが多い.
 一般的に,咳嗽は気道粘膜に存在するrapidlyadapting receptorやC—線維末端にある咳受容体が,化学的あるいは物理学的に刺激を受けることによって発現する.その刺激は,求心性神経の有髄のAδ線維あるいは主に気管支領域に分布している無髄のC—線維を介して延髄の孤束核に入り,以後,延髄の咳反射の統合経路を経て,各種の遠心性神経に伝えられる.中枢性鎮咳薬の鎮咳効果は,反射経路のうち咳中枢を抑制することによって生じる.非麻薬性鎮咳薬は麻薬性のものに比べ,耐性・依存性がなく,副作用も弱いという利点がある(表1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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