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文献詳細

雑誌文献

medicina39巻11号

2002年10月発行

文献概要

column

NNT(治療必要数)告知のすすめ

著者: 別府宏圀1

所属機関: 1都立北療育医療センター

ページ範囲:P.210 - P.210

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 「このワクチンを打てば病気に罹患するリスクが半減する」という説明はよく行われる.しかし,罹患率2/10が1/10に減るのも,罹患率2/100万が1/100万に減るのも「半減した」という表現(相対リスク減少,relative risk reduction:RRR)には変わりない.しかし,ワクチン接種を受ける側の身になれば,これを全く同じ表現で説明されるのはどうも釈然としない.それよりは「リスクが10分の1だけ減る」とか,「リスクが100万分の1だけ減る」という表現(絶対リスク減少,absolute risk reduction:ARR)が実態を正しく表している.最近,これに代わってよく使われるのが,治療必要数(number needed to treat:NNT)である.NNTはその治療を何人の人が受ければ,その治療を受けなかった同数の集団よりも1人だけ余分に助かるかを表す数字である.NNTはARRの逆数として計算できる.この表現は,素人にも分かりやすいため,患者に治療の効果や意味を伝えるときに便利である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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