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不安発作?焦燥感?
著者: 保坂隆1
所属機関: 1東海大学医学部精神科
ページ範囲:P.349 - P.349
文献購入ページに移動 大学病院の研修医時代に精神科当直をしていた若い頃の話です.救急医から「32歳の男性で,不安発作の患者さんが来ています」と呼び出されました.不安発作,今では「パニック発作」といいますが,急に漠然とした不安感が患者さんを襲い,動悸がしたり,胸痛がしたり,呼吸困難感を自覚するものです.一般科の先生でも,当直などしているとしばしば経験されるものです.このパニック発作の呼吸困難感に伴って,必然的に浅い息をハーハーするような過呼吸がみられる場合があります.このときには,呼気のなかに二酸化炭素が出過ぎてしまい,結果的に呼吸性アルカローシスの状態に至ってしまいます.そのため,意識がもうろうとなったりするものです.当直をされている先生方は,紙袋再呼吸法によって動脈血中の二酸化炭素分圧を上げようとしたり,精神安定剤の注射をしたり,「大丈夫ですよ,安心してください.息をゆっくり吸って,深呼吸をして…」などと声をかけたりするものです.
しかしその夜呼ばれた患者さんは,過呼吸もなく,ベッドに横になったり座り直したりしていました.しかし,やはり説明できないような不安な気持ちとか,イライラした気持ち(焦燥感)などは訴えます.
しかしその夜呼ばれた患者さんは,過呼吸もなく,ベッドに横になったり座り直したりしていました.しかし,やはり説明できないような不安な気持ちとか,イライラした気持ち(焦燥感)などは訴えます.
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