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文献詳細

雑誌文献

medicina39巻11号

2002年10月発行

文献概要

増刊号 内科医が使う薬の副作用・相互作用 内分泌疾患薬

下垂体後葉ホルモン製剤(デスモプレシン,ピトレシン)

著者: 本多一文1

所属機関: 1都立広尾病院内科

ページ範囲:P.350 - P.351

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 デスモプレシン®(酢酸デスモプレシン:desmopressin acetate)点鼻液・点鼻スプレーは,下垂体後葉ホルモンの一つであるアルギニン・バゾプレシン(arginine vasopressin)の類似体であり,1位のシステインを脱アミノ化し,8位のL-アルギニンをD-アルギニンに置換した合成ペプチド(1-deamino−8-D-arginine vasopressin:dDAVP)である.バゾプレシンの受容体にはV1受容体とV2受容体があり,抗利尿作用にかかわるのはV2受容体で,d DAVPはV2受容体に親和性の高い類似体で,V1受容体を介した血管収縮作用,平滑筋収縮作用などが弱い.ピトレシン®(バゾプレシン:vasopressin)注射液は水溶性のバゾプレシン製剤で,受容体選択性はなく,血管収縮作用,平滑筋収縮作用をもつ.いずれも中枢性尿崩症の治療に用いるが,副作用,持続性,投与の簡便性からデスモプレシン®が主流となっている1).以前にタンニン酸ピトレシンが使われたこともあるが,効果の安定性,副作用,投与の簡便性で劣っており,わが国では販売されていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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