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文献詳細

雑誌文献

medicina39巻11号

2002年10月発行

文献概要

増刊号 内科医が使う薬の副作用・相互作用 血液疾患薬

鉄剤(フェロミア,フェジン)

著者: 鈴木憲史1

所属機関: 1日本赤十字社医療センター血液内科

ページ範囲:P.372 - P.373

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 鉄は薬物でもあるが,自然界にも豊富に存在する.肉類,レバー,マメ科の植物,ひじき,のりなどに多く含まれ,また鉄製の調理道具からもかなりの鉄が食物中に放出される.しかし果物には鉄分は少なく,アルミやステンレスの調理道具からは鉄分の放出はほとんどみられない.健康成人は毎日平均食物鉄を20〜30mg摂取し,そのうちの5〜10%を主に十二指腸で吸収している.
 鉄は人体内に3〜4g存在し,そのうち2〜2.5gはヘモグロビン(Hb)として末梢血赤血球内に,残りは大部分が貯蔵鉄で,ごく一部はチトクローム,ミオグロビンなどに含まれている.貯蔵鉄はフェリチンとヘモジデリンの2つの形で存在している.フェリチンは水溶性の鉄貯蔵蛋白質で,約2,500個のFe分子の格子型配列を核としアポフェリチンと呼ばれる蛋白で包まれている.ヘモジデリンは水に不溶性なフェリチンの重合したもので固定貯蔵鉄とも呼ばれ,肝細胞やマクロファージの中にみられる.鉄の吸収・排泄は成人男性では1mgに過ぎず,閉鎖系の代謝が行われている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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