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文献詳細

雑誌文献

medicina39巻11号

2002年10月発行

文献概要

column

鎮痛薬誘発型頭痛と慢性連日性頭痛

著者: 橋本洋一郎1

所属機関: 1熊本市立熊本市民病院神経内科

ページ範囲:P.376 - P.376

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 慢性頭痛の患者は,市販の鎮痛薬で治療を行っていることが多いし,病院を受診した場合でも,医療者側も鎮痛薬を安易に処方してしまうことが多い.それを続けていると鎮痛薬の量が増し,慢性連日性頭痛(chronic daily headache)や鎮痛薬誘発型頭痛(analgesics-induced head—ache,analgesics abuse headache)をきたしてくる場合がある.鎮痛薬誘発型頭痛をきたして大量の鎮痛薬を必要とするようになった場合には,入院のうえ,すべての鎮痛薬を中止し,抗うつ薬や抗不安薬などでしばらく対処し,食事もとれなくなるので輸液を併用する.1週間経過すると頭痛が軽減し始めて食事もとれるようになり,2〜3週間で鎮痛薬なしでも頭痛のコントロールが可能となる.ただし頭痛が完全に消失するのではなく,ある程度の頭痛が以後も長期持続する.頭痛患者で鎮痛薬の量が多い場合は,鎮痛薬誘発型頭痛の存在と予防的治療の必要性について説明し,鎮痛薬の量を減らす努力をしなければならない.最近,片頭痛の治療薬としてトリプタン系薬剤が出現し,片頭痛患者のQOLが向上している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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