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恐竜と4割打者の絶滅について
著者: 加藤哲夫1
所属機関: 1福島県立医科大学第3内科
ページ範囲:P.477 - P.477
文献購入ページに移動 先ごろ惜しまれながら亡くなったハーバード大学の古生物学者グールド教授は,古生物や進化のメカニズムを論じた良質な一般向けエッセイの書き手であった一方で,熱狂的な野球ファンでもあった.彼は,大リーグでは1941年のテッド・ウイリアムズ以来なぜ4割を打つ打者が出現しなくなったかを,恐竜の絶滅に対するのと同じような熱意と科学的アプローチで論じている(フルハウス・生命の全容,早川書房).
彼は言う.打者にとって打撃とは,来た球を何十年前と変わらない素材,つまり木製のバットでひっぱたくだけのことであり続けたのに対して,投手には4割打者がいたころは直球とカーブだけだった球種にさまざまな変化球が加えられ,さらに役割分担の整備された継投策が発達した.したがって徐々に投手が有利になってきていると一般的には考えられているようだが決してそうではないと.
彼は言う.打者にとって打撃とは,来た球を何十年前と変わらない素材,つまり木製のバットでひっぱたくだけのことであり続けたのに対して,投手には4割打者がいたころは直球とカーブだけだった球種にさまざまな変化球が加えられ,さらに役割分担の整備された継投策が発達した.したがって徐々に投手が有利になってきていると一般的には考えられているようだが決してそうではないと.
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