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今月の主題 わかりやすいゲノム・再生医療の基礎・現状・展望 ゲノム医療の現状
H. pyloriの遺伝子診断
著者: 杉山敏郎1 浅香正博1
所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科消化器病態内科学
ページ範囲:P.408 - P.410
文献購入ページに移動H. pylori感染胃粘膜では炎症細胞浸潤を伴う組織学的胃炎があるが,症状を伴う疾患を発症するのはその一部である.
多様な病態はH. pylori菌株の多様性,感染宿主との相互作用などから検討されてきた.
ウレアーゼは本菌を最も特徴づける酵素であり,感染診断の代表的な標的遺伝子である.
vac A遺伝子の変異は感染の地理的分布によって決定ざれ,H. pyloriの進化過程を反映している.
H. pylori感染胃粘膜では著しい白血球浸潤があり,組織傷害の重要な機序である.
cag PAIは4型分泌機構を介し白血球活性化に中心的役割を演じているIL-8産生に関与する.
cag A遺伝子は間接的にcagPAIの存在を示唆するマーカー遺伝子と考えられる.
保険診療で可能な除菌法に含まれるクラリスロマイシン耐性菌が,年々増加している.本剤耐性菌の遺伝子診断も可能である.
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