文献詳細
今月の主題 わかりやすいゲノム・再生医療の基礎・現状・展望
再生医療の展望
胚性幹細胞株樹立と再生医療
著者: 安近健太郎1 中辻憲夫2
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科外科系専攻器官外科学/消化器外科 2京都大学再生医科学研究所再生統御学研究部門発生分化研究分野
ページ範囲:P.513 - P.515
文献概要
胚性幹細胞(embryonic stem cell:ES細胞)株は,受精卵が発生を開始した初期の胚盤胞内に存在する内部細胞塊の細胞から樹立された細胞株である.
ES細胞は三胚葉(外胚葉,中胚葉,内胚葉)すべての細胞に分化する能力をもつ多能性幹細胞であり,癌化することなく無制限の増殖能をもつ.
ヒト胚の利用に関して,現在世界的コンセンサスとなりつつあるのは,受精後14日後にあたる原条期以前のヒト初期胚(着床前胚)については,医療・福祉に明確なメリットのある研究に限り,厳密な審査のうえ用いることができるというものである.
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