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今求められる説明義務・12【最終回】
説明責任
著者: 古川俊治12
所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科 2TMI総合法律事務所
ページ範囲:P.552 - P.555
文献購入ページに移動説明責任の意義
医療事故被害者にとって,法的手段により損害賠償を請求し,経済的救済を受けることは,最も基本的な権利である.しかし,大部分の医療事故被害者にとって,損害賠償の問題が最も重要なわけではない.現に愛する家族を失ったり,自分の身体機能が損なわれてしまった場合,単なる経済的救済ではなく,精神的な苦悩・憤慨に対する支援こそ,より重要な問題である1).多くの場合,医療事故被害者が望むのは,以下の3点である.
第1に,自分(あるいは家族)に何が起きたのか,なぜ,それが起きたのかを知りたがり,医療従事者の誰かに責任があるのであれば,その者から対面して謝罪を受けること求める.
医療事故被害者にとって,法的手段により損害賠償を請求し,経済的救済を受けることは,最も基本的な権利である.しかし,大部分の医療事故被害者にとって,損害賠償の問題が最も重要なわけではない.現に愛する家族を失ったり,自分の身体機能が損なわれてしまった場合,単なる経済的救済ではなく,精神的な苦悩・憤慨に対する支援こそ,より重要な問題である1).多くの場合,医療事故被害者が望むのは,以下の3点である.
第1に,自分(あるいは家族)に何が起きたのか,なぜ,それが起きたのかを知りたがり,医療従事者の誰かに責任があるのであれば,その者から対面して謝罪を受けること求める.
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