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今月の主題 動脈硬化と高脂血症 atherogenicリポ蛋白の機能およびその診断と検査法
small,dense LDL
著者: 芳野原1 平野勉2 鹿住敏3
所属機関: 1東邦大学医学部臨床検査医学 2昭和大学医学部第一内科 3兵庫県立リハビリテーション中央病院内科
ページ範囲:P.598 - P.603
文献購入ページに移動疫学的に最も心筋梗塞の発症との因果関係が明らかなリスクファクターは血中コレステロール,特に低比重リポ蛋白(low density lipoprotein:LDL)-コレステロールであるが,さらに最近ではサイズの小さく比重の重いsmall,dense LDLの動脈硬化惹起性が注目されている.
small,dense LDLを保有する症例は“パターンB”と呼ばれ,正常なサイズのLDL粒子をもつ“パターンA”に比べると,冠動脈疾患発症のリスクが3倍となる.
small,dense LDLは冠動脈疾患を有する症例の70%以上が保有しており,日本人における新たな冠動脈疾患のリスクファクターとして注目される.
small,dense LDLは酸化LDLの良きsubstrateであり,LDLレセプターに認識されにくく血管壁におけるproteoglycanとglycosaminoglycanに対する親和性の増加がその動脈硬化惹起性の一因と考えられている.
妊娠中毒症のみならず正常妊娠においてもLDL粒子は小型化する.
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