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文献詳細

雑誌文献

medicina39巻5号

2002年05月発行

文献概要

今月の主題 腸疾患診療のノウハウ 鑑別すべき重要な疾患

出血を伴う感染性腸炎

著者: 櫻井幸弘1

所属機関: 1NTT東日本関東病院内視鏡センター

ページ範囲:P.848 - P.850

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 感染性腸炎は程度の差こそあれ,ほとんどが出血を伴う疾患である.ロタウイルス腸炎は出血を呈さないとされていたが,最近の報告では血便をきたすことがあるとされている.コレラは例外であるが,出血は細菌が組織へ侵入し上皮細胞を破壊することで起きる.出血という観点からみると大量出血は稀で,血便量が多く見えても水様下痢便で希釈されるためであり,ヘモグロビンの低下をきたすことは少ない.下痢や腹痛が強いため臨床的には重症感が強く,周囲も患者も慌てることが少なくない.診断に際しての注意点を述べ,症例を通じて鑑別診断について述べたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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