icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina39巻9号

2002年09月発行

文献概要

短期連載 医師が出遭うドメスティック・バイオレンス・4【最終回】

マサチューセッツ総合病院におけるDV対応プログラムと医療スタッフトレーニング

著者: 山田真由美1

所属機関: 1マサチューセッツ総合病院・HAVEN

ページ範囲:P.1615 - P.1619

文献購入ページに移動
医療・健康問題としてのDV
 女性に対する暴力は,深刻な社会問題である.そしてその多くは,被害者のパートナー(夫,ボーイフレンドなど)の手によってなされている.アメリカにおける研究によれば,3〜5人の女性のうち1人は,夫や前夫,パートナーや以前のパートナーから暴力の被害に遭うといわれている1).これらの親密な関係の間で起こる暴力,ドメスティックバイオレンス(DV)は,アメリカの25〜44歳までの女性の重度外傷の主因であり,その件数は強盗,性暴力,交通事故による外傷の合計数を上回っている2).また,それらDVに関連する傷害に費やされる医療費は,全米で約18億ドルにも上ると推定されている3)
 アメリカの医療界においては,ここ約10年ほどの間にDVへの対応が急速に進められてきた.1992年,Joint Commission on Accreditation of Healthcare Organizations(JCAHO)が,研修指定病院において,虐待・ネグレクト(放置,保護の怠慢のこと.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?