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文献詳細

雑誌文献

medicina4巻1号

1967年01月発行

文献概要

検査データ どうよみどうするか

PBIの増加

著者: 熊岡爽一1

所属機関: 1国立がんセンター内分泌部

ページ範囲:P.9 - P.9

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測定上の注意
 PBIとはProtein-bound Iodine,蛋白結合ヨードであり,主としてα-グロブリンと結合した甲状腺ホルモンすなわちthyroxineに含まれるヨードの値である。thyroxineは甲状腺でつくられ,約60%がヨードである。ヨードを含む化合物は他にないので,PBIを測定すれば甲状腺機能を知ることができる。その正常値は3.1〜7.7μg/100ml(Serum)であるから通常のヨード測定では検出できないので,セリウムイオンの褪色に対するヨードの触媒作用を利用して測定する1)。ふつう,病院はヨードで汚染された環境であるから,このような微量のヨードの測定にはかなり厳重な注意をはらう必要がある。滅菌,密封された注射器と針を用い,注射部位の消毒にはアルコールを使う。清潔な蓋のある遠心沈澱管に血液を入れたらすぐに蓋で密封する。PBI測定室は他の一般検査室とくに細菌検査室と隔絶された密室で行なわなければならない。この注意が守られないと汚染によりつねに値が変動し,正確なPBI測定は不可能である。このようにして得られたPBIは甲状腺検査のうちではもつとも安定したもので,しかもきわめて安くあがる。比色計以外に高価な器具を要しない。比色計もふつうの光電比色計でよい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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