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文献詳細

雑誌文献

medicina4巻1号

1967年01月発行

文献概要

グラフ

遊走腎と遊走腎症

著者: 赤坂裕1

所属機関: 1昭和大・泌尿器科

ページ範囲:P.17 - P.19

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 元来腎臓が生理的呼吸性移動の範囲をこえて移動するものを遊走腎と定義されているが,たとえ腎臓が正常人の移動範囲(だいたい5.0cm)をこえて移動しても,なんら症状を起こさない人もあり,移動範囲は必ずしもそれほど大きくなくてもいろいろの訴えをする人もある。そこで最近は前者を遊走腎,後者を遊走腎症と区別することがふつうであり,遊走腎にはとくに治療を必要としないが,遊走腎症には腎固定術を行なわなければならない。後者をさらに具体的に述べれば,「臥位では正常位にある腎が,立位のさいに移動することによつて,腎の転倒,腎莖部(血管および神経)の索引,圧迫,捻転,あるいは尿管の異常屈曲,捻転,圧迫,けいれんなどを起こし,それらのために症状を現わすもの」ということができる。われわれが日常患者として診療に当たるものはこの遊走腎症で,その診断と治療法決定には,触診所見ももちろん参考にしなければならないが,腎盂撮影法が必要であり,かつ立位撮影を忘れてはならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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