文献詳細
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文献概要
Khalil-macKeith(1954),ついでBarnard(1956)によつて,全身低体温のために胃冷却法すなわち胃内バルーンのなかに冷水を灌流するという方法が試みられたが,本法が実地治療面において脚光をあびるようになつたのは,Wangensteen(1958)がこれを重症胃出血の止血法として試み,その価値を強調してからである。かれは,さらに,冷却程度を強くすることによる胃冷凍法を十二指腸潰瘍の治療法として試み(1961),この方法が胃粘膜の塩酸分泌機能を抑制し,消化性潰瘍の治療にきわめて有効なことを報告した(1962)。以来,米国はもとより,諸外国においても多くの追試検討が行なわれるようになつた。
Wangensteen一派によれば,1961年10月から1965年1月までの期間に669例の消化性潰瘍患者に934回の胃冷凍法が行なわれたが,症状の改善ないし消失率43〜65%(年次別の差がある)となつている。しかし,このような症状改善に対する成績および減酸効果に対する成績については,多くの追試者のあいだにそれぞれ異論・反論が提起され,最近の話題となつている。本邦においても当教室を初め各所の大学においてこの方法の研究が行なわれているので,その概略を紹介する。
Wangensteen一派によれば,1961年10月から1965年1月までの期間に669例の消化性潰瘍患者に934回の胃冷凍法が行なわれたが,症状の改善ないし消失率43〜65%(年次別の差がある)となつている。しかし,このような症状改善に対する成績および減酸効果に対する成績については,多くの追試者のあいだにそれぞれ異論・反論が提起され,最近の話題となつている。本邦においても当教室を初め各所の大学においてこの方法の研究が行なわれているので,その概略を紹介する。
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