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自動診察装置
著者: 難波和1
所属機関: 1阪大・西川内科
ページ範囲:P.1397 - P.1400
文献購入ページに移動 最近,どこの病院でも患者の殺到していないところは少ない。そのうえ,医師や看護婦が不足がちである。公的病院では1人の医師は平均30人くらいの入院患者を受持ち,そのうえ1日に50人から60人くらいの外来患者を診なければいけない。その結果は1人の患者に対する医療サービス実時間を短縮しなければならなくなる。だいたいどこの病院でも患者は待合室でさんざん待たされる。やつと自分の順番がきて,たよりにしていた診察が「あつ」というまにかたづけられる。診察の結果,検査の指示を受け,検査科へ行つたら受付け終了。また翌日出なおさなければならない。しかも,この人たちは病人なのだ。元気な人でもこれではたまらない。一方医師のほうもたてつづけに患者を診ているわけで,連続3〜4時間このようなことをしつづけることは,頭脳・肉休労働ともに限界であろう。これはどうにかならないものであろうか。現在の日本はあらゆる分野で近代化を行なつている。しかし,病院の機能構造をみると近代化という点ではもつとも遅れているといえる。日本の医療形態の慣習に対し,医師側も患者側も反省を怠つているのではないであろうか。病院を患者という入力に対し,合理的な処置をほどこして出力する修理工場とみて,他の企業で行なつているような近代化を行なう必要がある。人間である医師を神と信ずる患者の盲信を正して,医療形態の合理化をはかる必要がある。
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