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雑誌目次

雑誌文献

medicina4巻11号

1967年11月発行

雑誌目次

Leading Article

医師の社会性

著者: 浦城二郎

ページ範囲:P.1553 - P.1555

アンバランスな医師の業務別分布
 医師とは健康の増進,疾病の予防および治療を通じて入類社会に奉仕する職業人である。古い時代における医師の活動はほとんど個人の疾病の治療にかぎられていたが,社会の進展につれて疾病の予防,さらに進んでは健康の増進ということが医師の大きな活動分野となつてきた。かくて現在では診療所および病院においてもつぱら疾病の診断治療に従事する診療医,厚生省,県庁,防疫所,保健所などで衛生行政や保健衛生業務に従事する衛生行政官,大学や研究所で医学教育や医学研究に従事する医学者などが非常に広い社会分野においてそれぞれ入類社会に奉仕し貢献しているのである。
 厚生省統計調査部の報告によると,昭和39年末におけるわが国の医師の総数は10万8,102人で,人口1万に対する医師数は11.1人,医師1人につき人口899人という比率である。つぎに医師の業務の種類別をみると,診療所または病院で診療に従事する診療医は10万1,021人で医師全体の93.4%を占め,診療以外の業務に従事するものは4,257人で医師全体の3.9%にあたる。さらに診療医のうち医療施設を開設するものすなわち開業医は5万4,277人で50.2%を占め,また診療以外の業務に従事するもののうち医学教育機関または研究機関において基礎医学の研究に従事しているものは2,006人(1.9%),衛生行政または保健衛生業務に従事しているものは2,251人(2.1%)である。

100万人の病気

気管支喘息

著者: 中村隆

ページ範囲:P.1556 - P.1562

 いつたい喘息とはなにか。内科医が日常診療に際し,その取り扱いに困る疾患はいくつかあるが,中でも喘息は非常にむずかしいものの一つである。喘息とはいかなる疾患か,研究はどこまで進歩を遂げえているのか。その現況と合わせて,治療上の諸問題を考察する。

座談会

気管支喘息と周辺疾患

著者: 杉田和春 ,   杉原仁彦 ,   細野清士 ,   佐々木智也

ページ範囲:P.1564 - P.1572

 気管支喘息は,まだ病因も十分明らかにされておらず,したがつて決定的治療法が見出せない場合もあり,患者,臨床家ともに苦しみ悩んでいるのが現状といえよう。本欄では日常臨床の観点から,この病気をどう考えたらよいか,上手な対症療法のコツとは,などにつきご検討いただいた。

診断のポイント

いわゆる脳動脈硬化症

著者: 大友英一

ページ範囲:P.1573 - P.1575

脳動脈硬化症とは
 いわゆる「脳動脈硬化症」という診断名は米国ではまず使用されることはない。筆者もこの診断は安易にくだすべきではないと考えている。しかしいわゆる「脳動脈硬化症」と診断せざるをえない症例の存在することは事実である。
 脳動脈硬化の脳におよぼす要因としては血管腔の狭小化による脳血行障害,それに伴う脳の小軟化が主要なものであり,硬化動脈による脳神経の圧迫などはまず問題とならない。脳の実質障害を伴わず動脈硬化に基因する循環障害のみで,いわゆる脳動脈硬化症の症状がどの程度出現しうるものであるかは問題である。著明な脳動脈硬化を有するにもかかわらず無症状の例があり,またこの逆の例も存在する。したがつていわゆる"脳動脈硬化症"の症状発現には脳動脈硬化のほかに不明の他の要因の存在することが推定される。

新生児黄疸

著者: 合瀬徹

ページ範囲:P.1576 - P.1578

重症黄疸は脳性麻痺の原因になる
 最近新生児黄疸についての関心が急速に高まつたおもな理由としてつぎのことがあげられる。
1)新生児期特に生後1週間以内における重症黄疸(新生児高ビリルビン血症)は核黄疸の成因となり,かつ脳性麻痺の原因となることが明らかに証明されている。2)しかも,このような新生児高ビ血症がおもに母子間の血液型不適合(ABO,Rh etc.)および未熟児その他の原因によってこんにち,以前われわれが思つていたほどまれでなく,身近かにかなりの数発生している事実(推定では全出生児中1/200の率で交換輸血を必要とする高ビ血症児がみられる)。3)新生児高ビ血症はいわゆる生理的黄疸とは明らかに区別され,しかも核黄疸,ひいては脳性麻痺の予防が交換輸血という有効かつ簡便な手技でこんにちすでに確立されている等々。

血清トランスアミナーゼ(GOT,GPT)活性

著者: 平山千里

ページ範囲:P.1579 - P.1581

GOT,GPTとは
 血漿中には多数の酵素が含まれているが,大別すると,血漿特異酵素と血漿非特異酵素に分類することが可能である1)(表1)。血漿特異酵素は,正常血漿の機能的構成成分の一つであり,血漿タンパクと同様の機序で生成され血中に出現する。この代表例はコリンエステラーゼである。血漿非特異酵素は,血漿の機能的構成成分ではないため,血漿中の濃度は一般に低い。血漿非特異酵素は,さらに排泄酵素と細胞酵素に分類することができる。前者は分泌腺細胞の構成因子であり,血漿中に排泄されるものであり,代表例はアルカリ性フォスファターゼである。細胞酵素は,細胞内に高濃度に存在しており,細胞内代謝に重要な役割を演じているものである。細胞酵素の代表例はトランスアミナーゼであり,このうち,GOT(グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ,一般名:Aspartate Aminotransferase),GPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ,一般名:Alanine Aminotransferase)がその代表酵素である。
 GOTは,筋肉や肝に高濃度に存在し,またGPTは,肝に高濃度に含まれており,組織濃度は,血漿濃度の104程度である。したがつて,筋や肝の細胞膜の透過性の変化や機械的障害で容易に血中に出現する。そのため,細胞酵素は別名,逸脱酵素または漏出酵素ともよばれている。

治療のポイント

甲状腺剤

著者: 鳥飼龍生

ページ範囲:P.1582 - P.1583

 現在臨床的に使用されている甲状腺剤のおもなものは,thyroxine,triiodothyronineおよび乾燥甲状腺末である。これらは,主として甲状腺機能低下症の補充療法に用いられ,きわめてすぐれた効果を発揮する。そのほかに本剤は,下垂体からの甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌を抑制するので、単純性甲状腺腫や橋本氏病のごとく,TSHの過剰分泌により甲状腺が代償性に腫大している場合に対して,それを縮小させる目的で使用される。
 本文では,紙数の関係もあるので,甲状腺機能低下症,すなわち粘液水腫およびクレチン病にかぎつて,その治療の実際について述べてみたい。

脾機能亢進症

ページ範囲:P.1584 - P.1585

小児喘息の心理的背景

著者: 高木俊一郎

ページ範囲:P.1586 - P.1587

 喘息は心身両面からとらえねばならない。一口に喘息といつても、種々雑多な因子によつて誘発され,それらの因子の関与の程度もまつたくまちまちである。ただ,どの喘息にも心理的因子が多少とも関与していることは認めてよいだろう。

不眠患者の指導—特に神経性不眠について

著者: 古閑義之

ページ範囲:P.1588 - P.1590

神経性不眠の診断
 まず,不眠が招来されるような器質的疾患を考慮しつつ,十分な診察ならびに必要な臨床検査を精密に行なうことが肝要である。すなわち綜合的に身体を観察することである。長年月にわたり持続性不眠を訴えるものでも,神経性不眠の場合では,顔面蒼白とか,憔悴の色などなく,また身体的にも著明な過敏徴候は認められないのがふつうである。また,食思不振とか,体重の減少などもめだつことのない場合が多い。ただ,不眠と胃アトニーの合併したさいには,身体は衰弱し,体重が減少する場合がある。また,これがもし,種々なる器質的疾患や精神病の場合に生ずる真性不眠の場合には,顔貌憔悴・食欲不振・体重減少などの衰弱した感じが他覚的にも認められ,神経性不眠の場合に比べて,全体として,医師に与える感じが前者とは異なることに留意すべきである。なお,私たちの提唱する迷彩症候群,なかんずく,迷彩結核の場合にも,不眠を主症状としてくることがしばしばある。このようにminorな病変が,慢性に持続するような場合には,神経性不眠との鑑別を要するが,この場合,身体臓器病変を主幹とする疾患ということに着目し,その検査を行ないかつ注意深い観察をあわせて行なうとともに,後述のような精神傾向の洞察をも併行すれば,診断は必ずしも困難ではない。
 つぎに,日常生活における夜の就床時間や,朝の起床時間を訊問することもたいせつである。さらに全夜にわたる睡眠状態を詳細に調査する。

目で見る神経病学・4

反射

著者: 本多虔夫

ページ範囲:P.1596 - P.1598

 今回は臨床的に特に重要な反射の検査法を写真で示し,簡単にその意義について述べてみたいと思う。

器具の使い方

Disposable注射器

著者: 藤巻道男

ページ範囲:P.1594 - P.1595

 注射器は,一般にはガラス製にて破損しないかぎり,また注射針は切れの悪くなるまで何回となく使用されている。しかし理想的に考えて,感染の予防と能率化ということで1回の使用で捨ててしまうDisposableの注射針,注射器(プラスチック製),真空採血器などが市販されている。これらについての使用経験を含めて述べる。

正常値

血清クレアチニン

著者: 石井暢

ページ範囲:P.1592 - P.1593

クレアチニンとは
 クレアチニンはクレアチンの代謝終産物として体内の常在成分であり,血液中より腎を介して尿中に排泄される。
 この尿中への排泄は尿素その他の物質と同様に腎機能の指標となるべき一定のクリアランス値をもつ。

EDITORIAL

喘息

著者: 川上保雄

ページ範囲:P.1599 - P.1599

 まず,この病気についての考えかたの変遷は,神経説にはじまり,アレルギー説となり現在にいたつている,と要約できよう。近時精神身体医学的な観点から,精神面がふたたびみなおされている。
 病理的には,初めはけいれんのみが重視されていたが,現在はそれだけでなく気管支におけるアレルギー性炎症が,非常に重視されている。

Banti症候群

著者: 市田文弘

ページ範囲:P.1600 - P.1600

 1894年Bantiは"Splenomegalie mit Lebercirrhose"として,貧血を初発症状とし,脾腫を伴う肝硬変をLaennec型肝硬変から分離した。このBanti病は第1期貧血期(3〜5年),第2期移行期(数カ月),第3期腹水期(5〜7カ月)の3期に分けられ,貧血,および脾腫は初発症状で,肝硬変は移行期に出現し,貧血期には肝に異常を認めていない。血液像では赤血球,血色素はともに減少し,白血球は正常,または減少を示す。また病因として脾に毒性物質を生じ,それが肝障害を惹起して肝硬変を形成し,脾静脈をおかして慢性静脈炎をきたすものと考えた。病理学的には脾腫を示す脾臓に特徴をとらえ,高度のうつ血と赤色髄のびまん性のFibroadenie,また濾胞のFibroadenieを特色としている。
 その後,同様な症例が多く報告され,その実在性に関しては現在もなお議論の多いところである。それは1,000〜1,500gの巨大な脾腫を示していながら,肝硬変の脾との比較において組織学的特徴は乏しく,量的差異はあつても,質的には大きな差異のないこと,特にBantiが強調した脾濾胞のFibroadenieは本邦の調査においてもきわめて少ないこと,さらに脾腫の程度と肝病変の程度との間に一定の関連性がないことから本症の実在性に多くの疑問が残されている。

グラフ

血栓性血小板減少性紫斑病

著者: 寺田秀夫

ページ範囲:P.1542 - P.1543

 本症は1925年Moschcowitzがはじめて報告して以来,現在まで世界で約260例,わが国では20例近くの報告があるが,その本態はなお不明で毒物,薬剤過敏症などが病因としてあげられ,近年は自己免疫疾患や膠原病として取り扱う学者も多く,組織学的には末端細動脈や毛細管に広汎な硝子様血栓がみられ,臨床的には,血小板減少性紫斑病,溶血性貧血,多様な精神症状,発熱,腎障害などを主徴とし,早ければ数週間,大部分は3カ月以内に死亡する比較的まれな疾患である。

血液化学検査用キット

著者: 林康之

ページ範囲:P.1545 - P.1550

 各種の化学検査用キットは試薬調製の手間を省略し,それだけ検査技師の作業能率を高める目的で利用されている。オートアナライザーやロボットケミストなどによる臨床化学分折の機械化は最近の流行であるが,機械化するほどの検体数がなく,かといつて半定量的簡易法では臨床的要請に応えられないという場合に市販キットの利用価値は高い。もともと市販キットはある分析種目の術式を決め,それに必要とする試薬すべてを秤量調製しまとめたものであつて,従来どおりの定量性を維持し,かつ技師の負担を軽減できる利点がある。しかし一方では,試薬の純度,品質の良否,安定性などについてまつたくメーカー側の品質管理に依存し,メーカーにより同一検査種目であつても試薬や術式が異なるという欠点はある。この点盲目的にキットを信頼するようなことがあつてはならないし,アール血清その他による成績のチェックはたいせつである。

心電図講座・11

狭心痛—異型狭心症

著者: 難波和 ,   藤垣元

ページ範囲:P.1621 - P.1627

 狭心症の発作時には,心電図にST降下をみるのがふつうであるが,逆にSTが著明に上昇するものがある。ST上昇の形状は,急性心筋硬塞発作時のST上昇とよく似ており,一見硬塞発作を疑わせるが,狭心痛が治るとともに消失し,異常Qも生じない。このような一過性のST上昇を示すものは,従来の狭心症と異なつているという意味から,異型狭心症variant formof angina pectorisと名づけられている。その診断の要点,心電図所見の特徴などにつき解説する。

他科との話合い

小児とレ線診断

著者: 小池宣之 ,   小川次郎 ,   玉木正男

ページ範囲:P.1630 - P.1638

 小児専門のレントゲン医師のいないわが国では,レ線診断における小児の特殊性を,それぞれの分野で解釈しながら診療にあたつているというのが実情であろう。それだけに日常診療上の問題も多いと考えられる。レ線被曝を避けるための技術的くふう,読みの問題などについて。

臨床生理学

腸管からの吸収機構—三大栄養素を中心に

著者: 細田四郎

ページ範囲:P.1651 - P.1654

 栄養素の腸管吸収は生理学の立場から,膜輸送の一つとして研究される。栄養学や消化器病学の立場からは,ことに吸収障害の問題が論じられる。また,機能の物質的基礎を究明する電子顕微鏡形態学および生化学の立場から吸収機構が追究されている。これらのいろいろな立場からの研究の綜合によつてのみ,この一見ごく簡単な,しかしよく考えると非常に複雑で,まだ多くの未知の問題を含む腸管吸収機構の究明が可能となるのである。

症例 全身性疾患と肺(XI)

癌と呼吸器 その2

著者: 三上理一郎 ,   北川正信 ,   千葉省三 ,   深沢俊男

ページ範囲:P.1641 - P.1646

症例1 X線上粟粒癌パターンを呈した甲状腺癌の肺転移例
 森○恵○子 22歳,女子(NN 104)
 家族歴・既往歴 特記すべきことはない。ツベルクリン反応は10歳ごろより陽性になつている。

胃癌に伴つたBowen病

著者: 大貫寿衛 ,   河村潤之輔

ページ範囲:P.1647 - P.1650

 最近内臓悪性腫瘍と皮膚病変との関係が注目されるようになつた。この問題についてBluefarbはつぎの〈11のP〉という表現でわれわれの注意を促している。すなわち,①Pallor 蒼白,②Pruritus 掻痒症(Urticaria じんま疹),③Prurigo-like papules 痒丘疹,④Pyoderma 膿皮症,⑤Pigmentation of cliverse type 異なつた型の色素沈着(Acanthosis nigricans 棘状の黒変),⑥Pemphigoidor bullous lesions 膿痂疹あるいは水疱性病変,⑦Pityriasis rubra or exfoliative dermatitis 粃糖疹様発赤,剥落性皮膚炎,⑧Posterior ganglionitis or Herper zoster 後側神経節炎あるいは帯状疱疹,⑨Purpura 紫斑,Petechiae 点状出血,⑩Poikilodermatomyositis 多形皮膚筋炎,⑪Phlebitis 静脈炎が出現する可能性があると指摘した。これらより内臓悪性腫瘍と皮膚病変との結びつきは多様性であり,またある点では偶発的発生も考えにいれなくてはならない。
 われわれは吐血を主訴として人院した患者にBowen病と胃がんを併発した1例を経験し,さきに昭和39年10月「皮膚科の臨床」に誌上発表したが,ふたたびこれを抄録してみたいと思う。

検査データ どう読みどうする?

ビリルビン陽性

著者: 小田正幸

ページ範囲:P.1537 - P.1537

 ビリルビン(以下ビと略)陽性の意義を広くとれば血清のvan den Bergh定性反応をもいれるべきであろうがその臨床的意義は失われているので,ふつうの尿中ビを証明する場合につき簡単に説明する。

この症例をどう診断する?・24

出題

ページ範囲:P.1540 - P.1540

■症例
52歳,男,調理士
主訴:息ぎれ,心窩部重圧感

討議

著者: 金上晴夫 ,   本間光夫 ,   大貫寿衛 ,   田崎義昭 ,   和田敬 ,   島野毅八郎

ページ範囲:P.1659 - P.1663

第一に心臓病,第二に心不全か らきた肝臓病?
 和田 これは動悸,息ぎれというようなことを主体にしておる症例ですので,金上先生にご解説願いましよう。
 金上 まず既往症からいいますと,25歳のときにリウマチにかかり,40歳を過ぎてから,数回うつ血性の心不全があつた。現在52歳であるということからいうと,とにかく今度の病気のほかに,心臓の病気があるんだということが,まず一つ考えられる。

統計

乳児死亡の社会経済面調査(2)

著者: 菅沼達治

ページ範囲:P.1539 - P.1539

 前号につづいて本号では,1,674例の乳児死亡世帯を保健婦が訪門した結果のうち,若干について記すことにします。なお,39保健所を乳児死亡の高率,低率,僻地的な特殊(鹿児島県西之表,名瀬)の3地域に分け,それぞれの分布のパターンを比較することにします。
 医療機関の適正な配置は,乳児の生命に大きな影響をもつと思われますが,もよりの医療機関までの時間をみると,高率では10分未満が40.3%,30分未満で約80%ですが,低率では10分未満が76.4%にもおよんでいます。さらにこのようなことが影響してか,病気がおもくなつてから医師にかけた乳児は,低率では12.9%であるのに,高率では20.2%におよんでいます。

ルポルタージュ

世界に誇るICU—スエーデンDanderyds病院を訪ねて

著者: 清原迪夫

ページ範囲:P.1602 - P.1605

豊かな国のゆきとどいた医療政策
 北極まわりの空路がひらけるまでは,スエーデンは本当に最北の国のように思われていたのだが,東京からアンカレッジを経由する,雲の上の明るさと単調さも,十分に眠つて飛んでゆくと,わずか16時間あまりの距離になつた。コペンハーゲンから,なるほど,島はこうしてできているのかと感心させられるほどに,よくすけて見える海を越えて,森と湖の上を1時間,そこにはここ80年で大成したストックホルム市がある。
 ここの印象は,岩肌の西海岸とは違つて,ソフトである。世界各国から建築家が見学にやつてくるというほどに,バリエーションに富んだ橋と建物に特徴がある。ゲルマン民族の大移動のとき,アルタイ,ウラルを経てハンガリア系が移つてきたという話も聞いたが,ノルウェーのアングロサクソン系の目鼻だちのよいのに比べると,少し人なつこくて,ごつい感じはするが,おちついた雰囲気をたたえている。鮭やエビのうまい国,山葡萄にミルクと砂糖をかけて食べさせたり,馬鈴薯からとつた日本酒色のワインでもてなしてくれる国である。

1967年ノーベル医学・生理学賞

視覚生理学発展の基礎を築いた三博士

著者: 冨田恒男

ページ範囲:P.1606 - P.1607

 人はどのようにしてものを見ることができ,それを認識するのであろうか。視覚生理学は多年にわたつてあらゆる方法でそのしくみを追求してきた。まだまだ謎として残されている問題も多いが,簡単にいうと,現在それはつぎのように考えられている。
 ものを見るという作業は,まず網膜にある視物質が光を受容することから始まる。視物質は,受容した光エネルギーを電気的エネルギーに変える。網膜で受けとつた情報は,この電気的エネルギーが視細胞内を流れ,視細胞の先端にある双極細胞へ到達し,さらに神経節細胞に達することによつて中枢に運ばれる。

第一線の立場

医師の自覚とともに患者の教育を/大学の医学教育に対する第一線臨床医としての所感

著者: 中山善夫

ページ範囲:P.1608 - P.1608

 わが国の医療保険は,医療給付率の増加によりここ数年来財政は悪化するばかりである。
 特に,政府管掌健康保険(以下政管健と略記)の赤字額は昭和42年度で累積1,800億という莫大な数字となる公算が大きく,政府はそれが対策として,国庫から225億を支出し(41年度は150億)同時に本人に負担させることを考え,(1)健保料率を定期給与の1000分の65から73に引上げる。(初め諸種手当を含む総所得にこの率をかける腹づもりだつたらしいがあまり露骨なので各方面から反撃をくい沙汰やみになつたいきさつがある)。(2)初診時の本人自己負担を100円から200円,入院時1日30円を60円に引上げる,(3)薬剤本人定額(15円)負担などの健保臨時特例法案を打出した。これは政管健を対象としているが,おいおいと他の社健保,共済保などに波及することは容易に想像される。政府はこの法案を臨時国会,会期延長などを経てかろうじて衆院をとおし,10月1日より実施の運びとなつた。

臨床メモ

3日以上発熱の続くとき

著者: 小山善之

ページ範囲:P.1627 - P.1627

 表題の場合にもつとも必要なことはその原因が何であるかの診断であろう。ここでは紙面のつごう上微熱をのぞき38℃以上の発熱がつづいた場合をとりあげてみた。急性感染症たとえば急性気管支炎,肺炎,急性肝炎,急性腎盂炎,その他では,3日以上発熱がつづけばたいがい症状が出そろうので既往歴をはじめ現病歴・現症を詳細に把握すればおよそ診断はつく。しかしこのような場合患者が抗生物質を服用していることが多く,一部の者ではサルファ剤や解熱剤ときにステロイド剤が使われている。処方箋なしで上記の薬剤が容易に入手できるわが国では,患者が医師の指示をも受けずに服用していることもたびたびである。そこで症状が中途はんぱや仮面性となり,あるいは再燃し発熱がつづくこともあり,これらが診断を困難にする一因となつている。
 急性感染症または慢性炎症の急性再燃たとえば胆管炎・腎盂炎その他臓器の化膿性疾患や敗血症ことに亜急性細菌性心内膜炎,最近まれになつたが腸チフスなどでは,与えられている抗生剤やステロイド剤を中断して動静脈血その他可検物を培養し,起炎菌の分離と薬剤感受性測定が必要である。一方ウイルス性感染症では血清中の抗体の増減の測定が行なわれる。また死亡率は減少しても罹患者は減つていない呼吸器結核もつねに念頭におかねばならない。高齢者の結核が増加しているこんにち年齢を問わず調べる必要があり,ことに糖尿病などの基礎疾患があればなおさら検査を欠くことができない。

話題 第10回日本腎臓学会から

「妊娠と腎」をめぐる活発な討論

著者: 加藤暎一 ,   樋口順三

ページ範囲:P.1591 - P.1591

成功したパネルディスカッション形式の運営
 日本腎臓学会総会は,9月15〜16日行なわれたが,第10回という本学会の一つの区切りともいうべき総会にふさわしく,斬新な運営のもとに236の一般演題と二つのシンポジウムはほぼ満員の盛況であつた。
 今回は吉利会長が昨年の国際腎臓学会を参考に,専門分科会としての本学会の性質上,十分討論がつくせるようにと,6会場に分かれてそれぞれ座長の司会のもとにパネルディスカッション形式で会が進行された。また聴くものに十分理解する余裕を与えるために1会場1台のスライドで,1題12枚以内の映写に制限したことも新機軸であつた。会場が分かれたために他の会場の発表を聴くことができないので,学会直前に発表内容にきわめて近い抄録を集め,当日抄録集が配布された。専門学会の今後の運営のありかたを示すものとして,腎臓学会もいよいよ充実期にはいつたとの感を深くした。

第5回 国際化学療法学会から

新しい抗真菌剤の効果など多彩な成果が

著者: 古屋暁一

ページ範囲:P.1563 - P.1563

 第5回国際化学療法学会が本年(1967)6月26日から6日間,ウイーンで開かれた。会場はHofburg,ハプスブルグ家歴代の王宮で,絢燗豪華な7つのホールがこれにあてられた。日本からは当学会副総裁市川篤二博士,次期(1969)会長梅沢浜夫博士,日本化学療法学会理事長石山俊次博士らを初め,基礎・臨床にわたる50余名の学者が出席し,35の研究発表がなされた。特に少壮気鋭の先生たちが多数参加し,壇上に気焔を吐かれたことは欣快至極であつた。
 化学療法の関与する領域は広いので,国際学会の演題数は尨大である。今回は12の総会演説と,シンポジウム,コロクィア,一般演題合わせて800あまりの研究発表(英・独・仏語)が,7つの会場に分かれて午前(8.30〜12.30)・午後(14.30〜18.00)を通じほぼびつしりと行なわれた。このなかから臨床医として興味のもてたいくつかの話題を紹介してみよう。

文献抄録

鉄欠乏性貧血はきわめて多い—JAMA March 20, 1967 Wintrobe "Clinical Hematology"

著者: 浦田卓

ページ範囲:P.1639 - P.1640

 JAMAの3月20日号(1967)に"健康な若い女子大学生と鉄欠乏"Iron Deficiency in Healthy Young College Womenという題の研究がのつている。その要旨は,出血異常も妊娠も経験したことのない白人の女子大学生114名について,その鉄貯蔵量をしらべたところ,彼女たちは社会経済的にはある程度恵まれた階層に属しているにもかかわらず,その2/3に鉄貯蔵量が欠乏または欠如していたというのである。これは,私たち一般実地医家にとつては,はなはだ興味の深い研究である。
 私たちは一般に,病気がかなり顕現化してはじめて,それと診断しがちである。しかし,臨床検査とくに生化学的なそれが一般実地医家のあいだに普及したこんにちでは,潜在性疾患―このばあいは臨床的な意味において,である―の掘り起こし,つまり顕現化の必要性が,最近における疾患の予防と早期発見の強調と相まつて,漸次注目されはじめた。潜在性糖尿病の早期診断などは,そのよい例であろう。

肝硬変の患者と健康者の血清中の遊離脂肪酸,インスリンおよびブドウ糖値におよぼすカプリル酸の影響—Lancet 1:593-597(March 18) 1967

著者: 若林保司

ページ範囲:P.1581 - P.1581

 ブドウ糖とカプリル酸を十二指腸内に注入して,それが血清中のブドウ糖,遊離脂肪酸(FFA),およびインスリン値におよぼす影響を健康者4人と肝硬変の患者5人について確かめた。ブドウ糖(50mg)に少量のカプリル酸を加えて十二指腸内に注入したところ,血清中の免疫反応性インスリン値が,ブドウ糖単独注入のものに比べて高かつた。このことは,健康者,肝硬変の患者の両方にいえることであつた。こういう結果(つまり免疫反応性インスリン上昇)は,血糖濃度には有意の差がみられなかつたことから血糖の上昇が媒介となることでは説明がつかないように思われる。脂肪酸値の下降線の勾配には有意の差はなかつたけれども,脂肪酸はカプリル酸が吸収されているあいだだけ比較的高いようであつた。このFFA値のわずかな差が血清インスリン濃度のこのような上昇の原因であつたかもしれない。また,カプリル酸が膵臓に直接刺激的にはたらいたともいえる。

今月の表紙

多発性骨髄腫

著者: 河合忠

ページ範囲:P.1646 - P.1646

 多発性骨髄腫は形質細胞の腫瘍性増殖をきたす疾患で,もつともしばしば血清中に異常免疫グロブリンが出現し,ときに尿中にBence Jones蛋白が検出される。血清および尿に出現する異常蛋白を検出するには,濾紙またはセルロース・アセテート電気泳動法による蛋白分画を行なう。もし異常免疫グロブリンが血清中にあると,電気泳動でα2からγ領域に幅狭い蛋白縞を観察することができる。ところが,血清中に出現する異常免疫グロブリンには5種類(γG,γA,γD,γEおよびγU)ある。それを鑑別するために免疫電気泳動法が必要である。これらの異常免疫グロブリンは腫瘍性に増殖している形質細胞でつくられるらしく,螢光抗体法を使つて観察することができる。
 図1γG型骨髄腫患者血清の寒天ゲル免疫電気泳動像で,左端にあるγG沈降線の一部が特徴あるふくらみ(M-bow)を示し,γG型骨髄腫蛋自の存在が証明された。他のγAおよびγM免疫グロブリンの沈降線は認められない。このように,骨髄腫の場合,異常に増加している免疫グロブリン以外の正常免疫グロブリン以外の正常免疫グロブリンは反対に減少しているのがふつうである。

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最近のサルモネラ症

著者: 斎藤誠

ページ範囲:P.1655 - P.1658

 従来,公衆衛生の面からしか注目されることのなかつたサルモネラ症であるが最近その保菌者がいちじるしく増加の傾向にあると同時に,その現われかたも従来とは趣を異にしてきている。ここで改めて身近な疾患としてのサルモネラ症を認識する必要があるのではなかろうか。

きのう・きよう・あした

著者: 砂原茂一

ページ範囲:P.1601 - P.1601

某月某日
 朝9時30分の新幹線で名古屋に行く。胸部外科学会のシンポジウム「肺結核の外科療法の遠隔成績」に特別発言を頼まれているからである。先週の土曜には松本で結核病学会と胸部疾患学会の関東地方会があり,10月中旬以後胸部疾患学会(新潟),厚生省医学会(仙台),がん学会(名古屋)などがある。こう学会つづきでは義理がたいつきあいをしていては診療や研究の暇がなくなるだろう(私自身は10月なかばちよつとアメリカに行くのでこれらの学会には義理のたてようがないのだが)。
 汽車のなかで増田四郎。「ヨーロッパとは何か」と野坂昭如「とむらい師たち」を読む。後者は書評を見て買つたものだがグロテスクなだけであまりおもしろくない。前者の著者は一橋大学の学長というといかめしいが私の中学の同級生である。2,3年前文芸春秋の同級生交歓という写真をとるのに引つぱり出されてほとんど40年ぶりで再会したのだが,歴史学者になつているとは知らなかつた。友人の本だというだけでなくなかなかおもしろい。地中海側にはあまり大きな川がなくヨーロッパの大きな川はみな北のほうに流れているという指摘をこの本で受けてなるほどそういえばそうだと合点した。たしかにギリシャやスペインの荒涼たる景観はアフリカ的である。

ERG,視物質—研究の進歩と臨床的意義

著者: 中島章

ページ範囲:P.1607 - P.1607

 Hatline,Granit,Wald博士らの業績は視覚生理に関するもので,網膜における光化学的変化,あるいは電気現象,視神経線維の放電など眼の機能一般の基礎的事実を明らかにしたものである.その後,かれらの生理学的業績をもとにして研究はさらに進み,これらの基礎的事実を臨床的に応用しうるところまできている.

基本情報

medicina

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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