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文献詳細

雑誌文献

medicina4巻11号

1967年11月発行

文献概要

Leading Article

医師の社会性

著者: 浦城二郎1

所属機関: 1広大・内科

ページ範囲:P.1553 - P.1555

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アンバランスな医師の業務別分布
 医師とは健康の増進,疾病の予防および治療を通じて入類社会に奉仕する職業人である。古い時代における医師の活動はほとんど個人の疾病の治療にかぎられていたが,社会の進展につれて疾病の予防,さらに進んでは健康の増進ということが医師の大きな活動分野となつてきた。かくて現在では診療所および病院においてもつぱら疾病の診断治療に従事する診療医,厚生省,県庁,防疫所,保健所などで衛生行政や保健衛生業務に従事する衛生行政官,大学や研究所で医学教育や医学研究に従事する医学者などが非常に広い社会分野においてそれぞれ入類社会に奉仕し貢献しているのである。
 厚生省統計調査部の報告によると,昭和39年末におけるわが国の医師の総数は10万8,102人で,人口1万に対する医師数は11.1人,医師1人につき人口899人という比率である。つぎに医師の業務の種類別をみると,診療所または病院で診療に従事する診療医は10万1,021人で医師全体の93.4%を占め,診療以外の業務に従事するものは4,257人で医師全体の3.9%にあたる。さらに診療医のうち医療施設を開設するものすなわち開業医は5万4,277人で50.2%を占め,また診療以外の業務に従事するもののうち医学教育機関または研究機関において基礎医学の研究に従事しているものは2,006人(1.9%),衛生行政または保健衛生業務に従事しているものは2,251人(2.1%)である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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