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文献詳細

雑誌文献

medicina4巻11号

1967年11月発行

文献概要

診断のポイント

血清トランスアミナーゼ(GOT,GPT)活性

著者: 平山千里1

所属機関: 1九大・桝屋内科

ページ範囲:P.1579 - P.1581

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GOT,GPTとは
 血漿中には多数の酵素が含まれているが,大別すると,血漿特異酵素と血漿非特異酵素に分類することが可能である1)(表1)。血漿特異酵素は,正常血漿の機能的構成成分の一つであり,血漿タンパクと同様の機序で生成され血中に出現する。この代表例はコリンエステラーゼである。血漿非特異酵素は,血漿の機能的構成成分ではないため,血漿中の濃度は一般に低い。血漿非特異酵素は,さらに排泄酵素と細胞酵素に分類することができる。前者は分泌腺細胞の構成因子であり,血漿中に排泄されるものであり,代表例はアルカリ性フォスファターゼである。細胞酵素は,細胞内に高濃度に存在しており,細胞内代謝に重要な役割を演じているものである。細胞酵素の代表例はトランスアミナーゼであり,このうち,GOT(グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ,一般名:Aspartate Aminotransferase),GPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ,一般名:Alanine Aminotransferase)がその代表酵素である。
 GOTは,筋肉や肝に高濃度に存在し,またGPTは,肝に高濃度に含まれており,組織濃度は,血漿濃度の104程度である。したがつて,筋や肝の細胞膜の透過性の変化や機械的障害で容易に血中に出現する。そのため,細胞酵素は別名,逸脱酵素または漏出酵素ともよばれている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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