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文献詳細

雑誌文献

medicina4巻11号

1967年11月発行

文献概要

治療のポイント

不眠患者の指導—特に神経性不眠について

著者: 古閑義之1

所属機関: 1慈大・内科

ページ範囲:P.1588 - P.1590

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神経性不眠の診断
 まず,不眠が招来されるような器質的疾患を考慮しつつ,十分な診察ならびに必要な臨床検査を精密に行なうことが肝要である。すなわち綜合的に身体を観察することである。長年月にわたり持続性不眠を訴えるものでも,神経性不眠の場合では,顔面蒼白とか,憔悴の色などなく,また身体的にも著明な過敏徴候は認められないのがふつうである。また,食思不振とか,体重の減少などもめだつことのない場合が多い。ただ,不眠と胃アトニーの合併したさいには,身体は衰弱し,体重が減少する場合がある。また,これがもし,種々なる器質的疾患や精神病の場合に生ずる真性不眠の場合には,顔貌憔悴・食欲不振・体重減少などの衰弱した感じが他覚的にも認められ,神経性不眠の場合に比べて,全体として,医師に与える感じが前者とは異なることに留意すべきである。なお,私たちの提唱する迷彩症候群,なかんずく,迷彩結核の場合にも,不眠を主症状としてくることがしばしばある。このようにminorな病変が,慢性に持続するような場合には,神経性不眠との鑑別を要するが,この場合,身体臓器病変を主幹とする疾患ということに着目し,その検査を行ないかつ注意深い観察をあわせて行なうとともに,後述のような精神傾向の洞察をも併行すれば,診断は必ずしも困難ではない。
 つぎに,日常生活における夜の就床時間や,朝の起床時間を訊問することもたいせつである。さらに全夜にわたる睡眠状態を詳細に調査する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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