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EDITORIAL
コンピューターによる病歴管理
著者: 岩塚徹1
所属機関: 1愛知県中央健康相談所
ページ範囲:P.1752 - P.1752
文献購入ページに移動 病歴管理の重要性は古くから知られており,いろいろの方式が検討されてきた。近年,病歴の数量の膨大化,管理内容の複雑化により,電子計算機システム(Electronic Data Processing System,EDPS)による病歴管理が試みられている。病歴管理も情報管理の一種であるが,病歴の内容の特殊性のため,これへのEDPSの導入は必ずしも容易でない。たとえば,血圧などは客観的な数値として扱いうるが,症状などは各医師による判定規準や,表現が異なるので,その情報処理がむずかしい。
1960年より病歴管理についてのEDPSが研究され,米国のTulane大学,Mayo Clinic,Kaiser Foundation,スエーデンのKarolinska病院などではすでに,実用化されている。病歴の内容全部をそのまま計算機に記憶させ,これを処理することも現在では可能であり,一部では行なわれているが,一般には,内容をできるだけ符号化,規準化して,能率的に計算機に記憶させる方法が行なわれている。大規模の符号化はたいへんな仕事であり,病変部のスケッチのように文章や記号では表現の困難なものもあるので,検索,統計処理の対象となるものを主とした病歴の要約のみを計算機に収納し,ほかの内容は,マイクロフィルムシステムによる方法もある。これはEDPSとしては比較的簡易化されたもので,われわれが日常行なつているものである。
1960年より病歴管理についてのEDPSが研究され,米国のTulane大学,Mayo Clinic,Kaiser Foundation,スエーデンのKarolinska病院などではすでに,実用化されている。病歴の内容全部をそのまま計算機に記憶させ,これを処理することも現在では可能であり,一部では行なわれているが,一般には,内容をできるだけ符号化,規準化して,能率的に計算機に記憶させる方法が行なわれている。大規模の符号化はたいへんな仕事であり,病変部のスケッチのように文章や記号では表現の困難なものもあるので,検索,統計処理の対象となるものを主とした病歴の要約のみを計算機に収納し,ほかの内容は,マイクロフィルムシステムによる方法もある。これはEDPSとしては比較的簡易化されたもので,われわれが日常行なつているものである。
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