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文献詳細

雑誌文献

medicina4巻12号

1967年12月発行

文献概要

治療のポイント

慢性胆のう炎—化学療法のコツ

著者: 真下啓明1

所属機関: 1北大第二内科

ページ範囲:P.1783 - P.1784

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慢性胆のう炎とは
 胆のう胆道疾患が臨床上鑑別が必ずしも容易でないことから,いわゆるCholecystopathieという言葉がBergmann以来乱用されている。たしかに胆のう炎,胆石症,胆道ジスキネジーの3者の関係は臨床的にも,またそれらの成立機転上も互いに複雑な因果関係が存する。これらの問題には深く立入らないことにするが,いわゆる胆のう炎が真の炎症であるか否かも論議なしとしない。すなわち,古く第一次的な細菌感染説,それ以後Andrewsら以来の細菌第二義説,そしてこの場合真の第一次的な引金として胆汁酸,膵液,コレステロール等々が擬せられており,その他自己免疫説,アレルギー説,肝炎ウイルス伝性化説,肝第一次説等々が相ついでいる。しかし,後者の非感染説を唱える学者にしても,臨床的には細菌が病像を修飾している可能性は肯定している。また胆汁酸説を肯定するにしても,胆道の無酸による腸内細菌化は起炎性に富むDeoxycholic acidのみならずLithocholic acid増量などの可能性も考えられ,細菌のべつの意味における第一次説も考えられぬことではない。
 したがつて慢性胆のう炎とは胆石,胆道ジスキネジーの合併の有無を問わず,細菌性あるいは非細菌性炎症状態であるといえば正しいかもしれない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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