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文献詳細

雑誌文献

medicina4巻2号

1967年02月発行

統計

丙午による出生の減少

著者: 菅沼達治1

所属機関: 1厚生省大臣官房統計調査部

ページ範囲:P.161 - P.161

文献概要

 昭和41年は60年に一度まわつてくる丙午の年にあたり,年初からマスコミでこのことがかなりとりあげられていました。明治39年も丙午であり,このときは6万の出生減にとどまりました。もつとも当時は年間平均5万の出生が増加していたので,実際には11万の出生が減少したとも考えられます。
 さて,60年前とは社会生活も人の考えかたも変わつた昭和のこんにち,丙午による影響がどの程度出生に表われるかは大変興味深いものでありましたが,表にみるとおり,7月までで実数にして28万9千,27.4%という驚くべき減少を示したのであります。おそらく1年間で50万の減少をみることになりましよう。明治時代には受胎調節や人工妊娠中絶などがほとんど行なわれず,女児の出生の年を前年または翌年にずらすというようなことで操作したと考えられます。これは出生性比が38年102.7,39年108.7,40年102.7で示されていることによつてもうなずけます。しかし現在ではこのような操作が多少はあつても大きなものではなく,結婚の延期,人工妊娠中絶,受胎調節などが主役を演じていると思われます。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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