medicina4巻2号

1967年02月発行

特集 尿糖

尿糖の症例

2．薬物と糖尿

著者： 門田一郎¹

所属機関： ¹大阪鉄道病院・内科

ページ範囲：P.195 - P.197

文献概要

　薬物による糖尿としては古くフロリジン糖尿，またPAS糖尿が知られているが，これらは糖代謝異常を伴わない。ここで問題になるのは糖負荷試験によつて血糖上昇のみられる糖代謝異常をきたし，糖尿の現われる場合である。ステロイド剤，サイアザイド剤，ニコチン酸などの投与によつて起こる糖代謝異常がその代表的なものである。これらは二次性糖尿病といわれ，持続すると糖尿病に移行する可能性があり，またいずれも有用な薬剤として現在繁用されるので臨床上その意義は大きい。