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文献詳細

雑誌文献

medicina4巻3号

1967年03月発行

文献概要

治療のポイント

ダンピング症候群

著者: 日野貞雄1

所属機関: 1胃腸病院

ページ範囲:P.368 - P.369

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症状と病態について
 ダンピング症状とは,胃切除後生ずる一連の血管運動障害にもとづく症状を指している。すなわち,食後に生ずる動悸,発汗,熱感または冷感,胸内苦悶脱力感などを主症状とするもので,通常食後数分以内(ときには食事中)に現われる。胃部の膨満感,悪心を先駆として現われ,30分内外継続したのち漸次寛解する。以前後期症状として食後2〜3時間後に現われる同様症状もダンピング症状として取り扱われていたが,最近では除外される傾向にある。
 本症の概念は症候群とよばれているもののつねとして確立されていない。たとえば頻脈と徐脈,熱感と冷感など対称的と思われる症状が本症の主症状となつている。かかる点より病態も一つでないことが考えられる。鏡は本症の病態を3つに分けている。第1型は血圧低下と徐脈を特徴とするもので比較的まれなものである。第2型は血圧低下と頻脈を特徴とするもので,本症候群の1/3にみられる。第3型は血圧上昇と頻脈を示すもので,約半数を占めている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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