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文献詳細

雑誌文献

medicina4巻5号

1967年05月発行

文献概要

診断のポイント

肝性脳症

著者: 茂在敏司1

所属機関: 1東大中尾内科

ページ範囲:P.676 - P.677

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肝性脳症を細分すると
 肝性脳症というのはいろいろの肝疾患のうえに体液性因子により二次的に脳障害の発展がみられる場合を総称しているものである。そしてそこにみられる精神神経症状は基礎となつている疾患のいかんにかかわらず類似しているものである。しかし脳障害の病因—いいかえれば基礎となつている肝疾患の状態—により予後が異なり,治療方針も異なるため,精神神経症状その他からこの症候群を細分する必要がある。これについてはいくつかの提案がされているが,私は一般に肝性脳症と称されるなかに,肝疾患の有無と関係なく,門脈大循環短絡が一義的因子をなす場合を認め,これを門脈側副路性脳症とし,肝実質障害の存在が重要な因子をなしている重症肝疾患型から区別した分類を提唱した。これによれば,門脈側副路性脳症のなかには錐体外路症状を主体とするWilms類似症候群と,猪瀬型といわれる慢性反覆性意識障害型とが含まれ,重症肝疾患型には多くの場合慢性肝疾患型と急性肝疾患型とが区別されるのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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