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文献詳細

雑誌文献

medicina4巻7号

1967年07月発行

文献概要

グラフ

皮疹のタッチ標本—Letterer Siwe病

著者: 西村昻三1

所属機関: 1聖路加国際病院・小児科

ページ範囲:P.942 - P.943

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 皮膚や粘膜に細胞浸潤をきたす疾患は少なくないが,もし浸潤細胞に一定の特徴がみられる場合には,これらの皮疹や粘膜疹を,それぞれに応じた適切な方法できずつけ,タッチ標本を作成すると,診断上有力な手掛りを得ることができる.タッチ標本は生検にくらべ,簡便で,はやく結果がわかり,細胞学的にもよりよい標本を作製しうるものである.
今ここに,その一例として示すものは,いわゆるReticuloendotheliosisの一つであるLetterer-Siwe病のタッチ標本である.本症は乳児にみられることが多く,図6に示すような特有の皮疹と,肝脾腫,リンパ腺腫,肺の浸潤,出血傾向,貧血,骨の病変,重症感染の合併などを主徴とする予後不良の原因不明の疾患であるが,これらの症状の多くはLetterer細胞とよばれる組織球の浸潤により惹起されたものである.本症の皮疹も組織球の浸潤よりなるため,皮疹のタッチ標本で多数の組織球の証明に成功すると診断上一つの有力な根拠となる.(本文111頁参照)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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