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器具の選び方
聴診器のえらびかた
著者: 笹本浩1
所属機関: 1慶大・内科
ページ範囲:P.994 - P.995
文献購入ページに移動 聴診器は,有名なフランスの病理学者Dr. René Théophile Hyacinthe Laënnecによつて発明された(1819)。彼は,ジーナ・ロロブリジータ型のグラマーの患者に,従来どおり彼の耳を直接彼女の心臓部にあてることができず(気の弱いドクターよ!),紙巻き円筒を代用することによつて,かえつて心音をよく聴取できることを発見し,これからヒントを得て木製円筒を作った。これこそ世界最初の聴診器である。これは長さ約1フート,直径1.5インチで,携帯に便にするため,この木製円筒の中央部を切断してネジこみ式とし,胸壁側は1.5インチの深さのロート状とした。この型式の聴診器は現在でも,ときおり産科方面で用いられているが,内科方面ではTraube式としてかつて用いられたことがあるのみである。
両耳用の聴診器は,その後,ニューヨークのDr. George Philip Cammannによつて1855年に完成された。この型式は現在用いられているものと,ほとんど同じで,耳側は外聴道にはめこむようになつている。
両耳用の聴診器は,その後,ニューヨークのDr. George Philip Cammannによつて1855年に完成された。この型式は現在用いられているものと,ほとんど同じで,耳側は外聴道にはめこむようになつている。
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