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ゼロラジオグラフィーの医学的応用
著者: 吉村克俊1
所属機関: 1関東逓信病院・放射線科
ページ範囲:P.1099 - P.1104
文献購入ページに移動 ゼログラフィーはべつの名を電子写真ともいわれ,従来の写真感光性物質の主流をなしてきたハロゲン化銀による化学的な湿式写真法とは根本的に異なり,まつたく物理的な方法によつて画像を作る方法で,乾式で水を用いないところに大きな特徴がある。この乾燥式ということが強調されてXerographyとかDryphotographyともよばれ,X線領域に用いられるときXeroradiographyとよばれる。この写真法はすでに1937年C. F. Calsonによつて考案され,医学に応用されたのは1955年で,1958年にはG.E社の製品が本邦で紹介され,1963年ごろには東芝が医学用ゼロラジオグラフィーとして製品化しすでに実用化されて乳房撮影をはじめ軟部陰影の撮影,骨部撮影などに応用されている。
画質の大きな特徴として辺縁効果ないしedge effectという現象があり骨診断のさいに,骨梁が強調され骨折や骨にひびのはいつたさいに,その部が強調されること,わずかな透過差が鋭敏に濃度差として出てくる性質があるので,乳房の軟部組織内のわずかな差が影像として出てくるわけで,その細部構造の分析に有利である(図1参照)。
画質の大きな特徴として辺縁効果ないしedge effectという現象があり骨診断のさいに,骨梁が強調され骨折や骨にひびのはいつたさいに,その部が強調されること,わずかな透過差が鋭敏に濃度差として出てくる性質があるので,乳房の軟部組織内のわずかな差が影像として出てくるわけで,その細部構造の分析に有利である(図1参照)。
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