文献詳細
文献概要
症例
トリウム沈着を伴う腹膜中皮腫の1例
著者: 山際裕史1
所属機関: 1三重大・病理学
ページ範囲:P.1201 - P.1204
文献購入ページに移動 Thorotrast(ThO2の25%溶液)は1925年,Egas Monitzにより放射線領域で脳血管撮影の目的で用いられたのが最初である。以来約25年間気管支造影,卵管造影,腎盂撮影等々,多彩な分野でひんぱんに用いられた。ところが1936年Rousy,Selbieらが実験動物で同物質による肉腫の発生を報告し,1947年にはMcMahonが70歳の男子で肝脾造影を行なって12年目に肝血管内皮腫の発生した例を記載して以来,すでにかなりの報告がある。一般に血管造影の場合は肝に,局所的注入の場合は同局所の腫瘍を発生する傾向がある。
症例は臨床的にはThorotrast使用の有無を明確にされえなかったが,組織学的ならびにミクロオートラジオグラフィーにより腫瘍組織(腹膜中皮腫)中にトリウムの多量の沈着が証明されたきわめてまれな例である。
症例は臨床的にはThorotrast使用の有無を明確にされえなかったが,組織学的ならびにミクロオートラジオグラフィーにより腫瘍組織(腹膜中皮腫)中にトリウムの多量の沈着が証明されたきわめてまれな例である。
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