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抗核抗体
著者: 勝田保男1
所属機関: 1東大物療内科
ページ範囲:P.1248 - P.1249
文献購入ページに移動 1948年KlempererらによりLE細胞が発見されて以来,全身性エリテマトーデス(SLE)患者血清中に,抗核抗体と総称される細胞核,およびその構成成分と反応する自己抗体が,種々の免疫学的方法で証明された.抗核抗体はSLEの臨床診断上重要であるばかりでなく,臓器特異性,種属特異性のない,重要な生体高分子であるデゾキシリボ核蛋白,DNAなどに対する抗体である点興味が深い.臨床的にもつとも使用される抗核抗体検査法はLE細胞検査,LEテスト(Hyland),螢光抗体法である.LE細胞現象は,患者血清中にあるImmunoglobulin Gに属するLE細胞因子とよばれる抗核蛋白抗体により起こる現象である.螢光抗体法はもつとも鋭敏であるが,陽性の場合でも他疾患を否定できない.LEテストは陽性率は低いが,陽性の場合信頼性は高い.
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